2025/09/25 10:22

陸上自衛隊で長く使われてきた65式作業服は、今となっては新規調達が終了し、姿を消しつつあるアイテムです。昭和後期から平成初期にかけて、訓練や作業の現場で着用されていたこのウェアは、単なるユニフォーム以上の存在として語り継がれています。


現存する個体のなかには、官給品として支給されたものもあれば、PX(購買部)で販売されたものもあり、その違いを断定できないケースも少なくありません。ラベルが欠損していたり、パッチが外された跡が残っている個体はまさにその典型で、判別の難しさがコレクションとしての奥深さを一層高めています。


また、65式作業服は生地選びやカッティングにも独自の特徴があります。綿と化繊を組み合わせた混紡生地は、無骨さを保ちながらも軽やかに羽織れる仕上がりで、袖口の設計やシルエットには日本独自の美意識が息づいています。これらは欧米のヴィンテージミリタリーには見られない要素であり、ファッションとして取り入れると一味違ったスタイルを楽しめるでしょう。


今では希少なジャパンヴィンテージの代表格とも言える65式作業服。官給品かPX品かという曖昧さを含め、その存在自体が「日本らしいヴィンテージ」として価値を持ちます。市場で見かける機会が減り続けるなか、今こそ改めてその魅力に目を向けるべき時ではないでしょうか。


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