2025/10/14 15:38

1920年代の日本、街角にはモダンな洋装を取り入れた紳士たちが姿を見せ始めました。その時代の象徴ともいえる外套が、トンビマントです。スコットランドで生まれたインバネスコートが日本に伝わり、和服に合わせやすいケープ状のデザインとしてアレンジされたこのマントは、裕福な大尽たちの間で人気を博しました。
当時のトンビマントは、袖がなく肩に羽織るだけのシンプルな形ですが、そのシルエットは実に洗練され、着る人の格を自然に引き立てます。ブラックウールの生地は落ち着きと品格を両立させ、カワウソのリアルファー襟はアクセントとして、着こなしに上質感を加えます。襟は取り外し可能で、季節やコーディネートに合わせて変化を楽しむことも可能です。
現代では、こうしたジャパンヴィンテージのトンビマントはほとんど目にすることができません。90年以上の時を経たアンティークとしての価値に加え、現代の洋服とも自然に溶け込むデザインは、まさに大正モダンの再現と現代ファッションの融合を体現しています。Tシャツやデニム、シンプルなジャケットの上に羽織るだけで、日常に特別な雰囲気を生み出せるのです。
このトンビマントは、着る人の個性を引き立て、映画や文学作品の世界観を現実に持ち込むかのような存在感を放ちます。着るたびに感じる時代の空気、希少性、そしてモードな佇まいは、アンティーク愛好家やヴィンテージファッション好きの心を強く惹きつけます。年々現存数が減少していることも、このアイテムの特別さを際立たせています。
大正モダンの魅力を感じながら、現代のコーディネートにも自然に取り入れられるトンビマント。過去と現代をつなぐ一着として、あなたのワードローブにぜひ加えてみてください。
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