2025/10/17 15:50

時代を超えてなお、人々を惹きつける服があります。
ボタンを留めた瞬間、まるで大正の街角に立っているかのような静かな高揚を覚える──それがトンビコートです。


トンビコートは、もともと英国のインバネスコートを起源とする外套で、肩から腕にかけて大きく広がるケープのような形が特徴です。
その独特なシルエットが、鳶(とんび)が翼を広げた姿に見えることから、日本では「トンビ」と呼ばれるようになりました。


明治の終わりから大正、昭和初期にかけて、このトンビコートは防寒着としてだけでなく、ひとつの「装い」として人々の間に広まりました。
和装にも洋装にも自然に馴染み、どちらの文化にも寄り添う“橋渡し”のような存在。
特に大正ロマンと呼ばれる時代には、知的で洗練された雰囲気を纏う外套として多くの紳士に愛されました。


今回ご紹介する一着は、そんな時代をそのまま映し出したような佇まいを持つジャパンヴィンテージのトンビコートです。
現代の服にはない重厚感と静かな存在感があり、羽織るだけで空気が変わるような印象を与えます。


希少なコンディションで現存していること自体が奇跡的で、当時の空気感や仕立ての美しさを今に伝えています。
着る人の動きに合わせて揺れるケープのライン、落ち着いた佇まいの中に漂う気品。
それは“時間の経過が生んだ美”と言えるでしょう。


大正ロマンを象徴するトンビコートは、ただの防寒具ではなく、文化を纏う一着です。
今なお失われない魅力を、ぜひあなたのスタイルに取り入れてみてください。




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