2025/10/24 14:04

昭和中期、日本の家庭では日々の暮らしに欠かせない存在として木綿の風呂敷が使われていました。買い物や贈り物の包み、旅の荷造りなど、使う人の工夫や手のぬくもりがそのまま布に残る――そんな布たちが、いま改めて注目を集めています。緑の無地と縞模様を組み合わせたこの風呂敷も、日常の中で丁寧に使われてきた一枚です。新しい布にはない深みのある色合いと柔らかな風合いは、年月を経た木綿だからこそ生まれるもの。



近年、海外のテキスタイル愛好家のあいだでは「Japanese vintage fabric」として古布の価値が見直されています。機械では再現できない不均一な織りや、自然染料による深い色味、使うほどに増す味わい――これらは大量生産の時代には失われつつある美しさです。古い風呂敷をリメイクしてバッグや小物に仕立てたり、インテリアファブリックとして額装するなど、新しいかたちで日常に取り入れる人も増えています。



この昭和中期の木綿風呂敷は、単なる布ではなく、時代の空気と人の手の記憶を宿した小さな文化遺産のような存在です。緑の静けさと縞のリズムが織りなす2トーンのデザインには、実用の中にも美を求めた日本人の感性が感じられます。昭和レトロのやさしい雰囲気を楽しみながら、古布の新しい魅力を暮らしの中で再発見してみてください。




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