2025/10/25 17:28



冬の寒風を遮るために生まれた、旧日本陸軍の下士官用ウールマント。



その厚みのあるウール地と、肩から裾にかけての一体感のあるシルエットは、実用のための設計でありながら、現代の目で見ても完成されたバランスを感じさせます。



1940年代当時、限られた素材の中で仕立てられた軍用衣料は、余計な装飾を持たない無骨な機能美が特徴です。特にこのマントは、戦場での防寒と迅速な動作を両立するため、簡易的でありながらも理にかなった構造が採用されていました。



その“簡易仕立て”こそが、このアイテムをヴィンテージとして魅力的にしている理由のひとつです。



戦後、このようなウールマントの一部は民間へ流通し、個人の防寒着としても着用されていったと考えられます。軍装から日常へと移り変わったその過程に、日本の服文化の変遷を見ることができます。
いま、このマントを手に取ると、当時の実用性がそのまま現代のファッションにも通じることに気づくでしょう。



オリーブドラブの深みある色合い、時代を経たウールの質感、そして羽織るだけで生まれる独特の存在感。
これらは軍装品という枠を超え、ユニセックスなアウターとしても成立する普遍的な魅力を持っています。
コートの上からラフに羽織っても、あるいはスウェットやジーンズと合わせても、スタイルに奥行きを加えてくれる一着です。



ジャパンヴィンテージの中でも、旧日本陸軍のマントは現存数が限られており、年々少なくなっています。
その希少性と、時代を超えて通じる美学が、このアイテムを唯一無二の存在にしています。
単なる“古い服”ではなく、かつての日本の機能服が持つデザイン哲学を感じられる、歴史と現代が交差する一枚です。




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