2025/11/06 11:15


深く澄んだ藍色が印象的な昭和中期の股引(ももひき)。一見するとシンプルな布地ですが、その中には、日本の暮らしと仕事の記憶が静かに息づいています。

股引は、農作業や山仕事などの際に動きやすくするために発展した衣服です。足に沿うように細く仕立てられ、裾を絞って着用することで、作業中でも泥や風を防ぎやすくなっています。野良着や山袴と同じく、「働くための服」でありながらも、実用の中に美しさを宿す日本独自の衣文化の一つです。




今回紹介する股引は、昭和中期頃のもの。藍染木綿の無地で仕立てられ、長い年月を経た布地は柔らかく、淡く色落ちした質感が魅力です。使い込まれた生地からは、当時の暮らしの時間が滲み出るようで、単なる衣服ではなく「生活の一部」を感じさせてくれます。

現代では、Tシャツやシャツと合わせてカジュアルに取り入れるスタイルも人気です。ワークパンツのように履くだけで、藍の色味とフォルムが自然に映え、落ち着いた存在感を放ちます。ヴィンテージデニムやリネン素材のアイテムと組み合わせると、より現代的な印象に。和のテイストを軽やかに取り入れたい方におすすめの一着です。




藍染木綿の股引は、今では数少ない「素朴な日本の仕事着」。その静かな美しさと経年変化を、日常の装いの中で楽しんでみてください。

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