2026/07/21 17:50
野良着を発見し、手に取るたびに思います。
これを縫った人は、誰かに見せるつもりもなく、ただ、畑に出るために作ったのだと。
今回見つけたのは、東北の農家から出てきた藍染絣の野良着です。
木綿、裏地付きの単衣仕立て。昭和初期から中期、おそらく1930〜1950年代のものです。

この野良着の絣は菱形模様。藍染とのコンビは派手さはありません。でも、じっと見ていても飽きません。

裏地は白木綿。
農家の誰かが、針を持って縫ったものです。職人ではなく、普通の人が。
単衣仕立てなので、中綿はありません。
軽くて、動きやすい。夏の農作業に向いた構造です。
袖丈が短いのも、腕を動かしやすくするためだと思います。


欧米では今、日本の野良着への関心が高まっています。
フランスやドイツのモールスキンジャケット、アメリカのチョアコートと同じ文脈で、
野良着が語られるようになってきました。
違いがあるとすれば、野良着は工場で作られていません。
一人が、一枚を、自分達のために縫ったものです。
だから二つと同じものがありません。
これは、その一枚です。
ブランドタグも値札も付かなかった、自分たち為だけの衣料。

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